当たり前のはなしですが
いまどきの家には断熱材が入っています。
安いものや
高性能なもの、
燃えにくく、
体にやさしいなど
断熱の材料はたくさんあり、
施工方法も多種多様です。
KIKAKUNAでは壁と屋根の断熱に
セルロースファイバーを採用しています。
セルロースファイバーは
安いわけではないですし、
性能がとびぬけていいわけでもなく、
見た目が良いからでもありません。
採用理由は〝断熱欠損が起こりにくいから〟です。
というのも残念ながら
当たり前のように断熱欠損、
つまり断熱不良がほとんどの現場で起こってしまうためです。
欠損ゼロの現場なんてないんじゃないかなとも
思っています。
テレビに例えると
(新品のテレビではありえませんが)
画面のどこかが黒く映らないって感じです。
もしそれが当たり前のようにあり得るとしたら
何を基準にテレビを選ぶでしょうか?
画面のサイズや画素数、音質、録画機能の有無の前に
まずは黒く映らない部分が少ない機種を
選択するのではないでしょうか?
新品のテレビではそんなことありえませんが
新築の家ではそんなことが起こります、
また新築の場合、断熱性能は数値で表記されます。
それは断熱材の材種や性能、厚みなどで計算されるのですが
(計算結果は断熱材だけではなく
窓や換気扇などの性能も反映されます)
当然断熱欠損無しという前提での数値です。
繰り返しになりますが
ほぼどの現場でも欠損していますので
実際の家の性能は計算結果よりも低いことになります。
いくら高い断熱性能を謳っている家でも
現場での断熱欠損が多いと実際は低断熱の家という
ことになってしまうわけです。
深刻なのは
ちょっとの欠損が大きな性能低下をもたらす
ということです。
断熱材5%欠損で家の断熱性能が50%ダウン
というのも十分あり得るようです。
小さな隙間から逃げる熱がもたらす影響は
かなり大きいということですね。
欠損部分では結露が起こり、
カビの発生、白アリの誘引へとつながってしまいます。
5%も欠損する?
十分あり得ます、
かなりの家で5%程度は欠損しています。
どの断熱材を使用したとしても
時間をかけて、丁寧に、断熱のプロが施工をすれば
かなり欠損は減らせます。
しかしながら、
断熱のプロではない大工さんが
限られた時間のなかで
さっさ施工をすると
とんでもなく欠損します。
なので性能や厚み、材料の前に
欠損しにくいものを採用しています。
いまのところそれはセルロースファイバーかなと
思っています。
私がまず重視することは
超が付くほどの高断熱、高気密にする前に
計算数値通りの断熱性能を現場でも実現する
というお話です。
(たつのモデルのUa値0.49)
補足
窓枠はセルロースファイバー後に設置するのですが
窓枠廻りに1センチ程度の隙間が空きます。
その隙間だけグラスウールを使用して埋めています。
グラスウールのふんわり感をできるだけ残して
埋め込むことがポイントです。
狭いところにやわらかいものを埋め込むので
ぎゅっぎゅ詰めたくなりますが
そうしてしまうと断熱効果が落ちてしまいます。
ふんわり部分の空気が無くなってしまうためです。
ダウンジャケットや羽毛布団と同じですね。