床断熱

前回は壁と屋根の断熱について書きましたので
今回は床の断熱についてです。

足元の断熱としては基礎断熱と床断熱の2種類があり、
KIKAKUNAは床断熱を採用しています。

▼基礎断熱


▼床断熱


基礎断熱もしくは床断熱の選択理由としては
(かなり大雑把になりますが)
家づくりにおいて断熱気密重視の方は基礎断熱、
シロアリ対策重視の方は床断熱といったところです。

これははさみと鉛筆を比べるようなもので
どちらが正しいということはできません。
また基礎断熱でもシロアリ対策を行うことはできますし
床断熱で断熱気密を行うことももちろん可能です。

基礎断熱の白アリ対策がかなり面倒だと
私は考えているので床断熱を採用しています。

KIKAKUNA採用の床断熱が否定される要因として
床下の結露やカビの発生があります。
これは夏場、熱い空気が床下に入り
屋内の冷房で冷やされた空気が床下に漏れることで
起こります。

逆に言えば床下に冷気が漏れないよう
きっちりと床を断熱気密することで
結露やカビは防げます。

具体的には断熱材を隙間なくきっちりと入れ込み
木材と接する部分に気密テープ(黒いテープ)を
貼ります。

(柱を建てた後に気密をする方法もありますが
柱を建てる前のこの段階で気密するほうが
施工も簡単だし気密性能も確保できます。)

現場が進むと給排水の管や電気の配線などを
床下に通すために気密を行った床に穴を開けますので
穴の廻りをシーリングなどでふさぎます。

あとは床下点検口を断熱気密タイプのものを
使用します。
▼気密断熱タイプの床下点検口施工


これらの断熱気密を行うことで
床下への冷気の漏れを防ぎ
結露やカビの発生を抑えます。
それほど難しい工事ではありません。
ただこういう事柄は図面には表記されていないことも多く、
職人さんも【常識】という認識をしていないので
毎回全箇所チェックすることが大事です。

築1年目は基礎からの水蒸気量が多く、
もっとも結露やカビリスクが高いのですが
1年目の床下点検において
結露やカビの発生は起こっていません。
もちろん2年目も。
浴室下の木材も新築時の綺麗さを維持しています。

▼築1年の床下状況



床断熱が悪いわけではなくて
床の気密断熱が不十分であることがよくないということです。
前回のセルロースファイバーと同様
断熱材の材料や施工法はいろいろあるけれど
きっちり施工することをまず大事にしたいというお話です。

補足
とはいえ、気密をそこまでしていなかった時期のお家でも
断熱はきっちり入れてあるので
床下は点検時カラカラに乾いた状態です。
上記の気密工事ぐらいであればコストも手間もそれほど
かかりませんのでより安心のためやっておいた方がいいな
という感じです。

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