省施工化

施工中の河村さんの家、大工工事が無事完了。
予定より1週間ほど早く仕上がりました!




全世界がコロナ問題につつまれた一年でしたね。
建築の世界はというと省エネが大きな問題となっていて、
改正建築物省エネ法も来年4月に全面施工となります。
建物の断熱性などを高くして、効率のいい家電を使いましょう!
って感じが強化されるんです。

私のかかえている問題は省エネでも大工さん工事の省エネ。
現場での大工作業を減らすことを考えて試しています。




コストを下げたりゴミを減らしたりするために
大工作業の省施工化が重要だとずっと感じていたんです。
木造住宅で一番コストがかかっているのはやはり材木費、
2番目が大工さん費用ですからね。
そんな事十分考え尽くされているやろと思われるかもしれませんが
決してそんなことはありません。
特に住宅業界の成長は気が遠くなるほど遅い。
同じ20年前と今を比較してみても、
車の進化と住宅の進化ではとてつもない差があります。
(もちろん車の進化の方がはるかにすごい!)

現場施工が多かったり施工性が悪かったりすると
時間がかかり大工手間も増えます。
材料費やごみも当然減りません。
減るのは私の利益だけ。




大工工事の省施工化が難しいのかというと
必ずしもそうではありません。
では簡単かというとそれも必ずしもそうではない、
っま、一筋縄ではいかないということです。

施工性の良い部材はたくさんあるんですが、
施工性を優先するあまりデザイン性がよくないとか、
——施工性を優先させた商品や部材だけでできた家は
  なんというか温度を感じないというのが個人的感覚です。

仕上げやデザインに影響されない部分で省施工すると
性能が下がるということもあります。

また設計と現場の溝が深すぎることも
省施工化が進まない要因ですね。

設計は決してデザインだけを考えているわけではなく
現場のことも考えてはいるんですが…
設計が考える「現場のため」が全く現場のためになっていない
ということが多々あるんです。

設計段階で考えた後、現場にはりつき、実際に自分も施工してみて、
そんでもって大工さんと話をして
はじめて見えてくるもんがあるんです。
——部材や商品を作っているメーカーさんもそうやって生まれた意見に
  とても興味をもってくれます。





作家性だけで勝負できる人や
徹底的に省エネを計ったメーカー住宅とは違って
デザインと省エネのバランス、重心の置き方具合が
私(一人体制&規格住宅)の勝負どころやと思っています。


河村さんの家は省施工化がようやく成果にあらわれてきた感じ。
デザインを褒められると嬉しかった設計だけの時代とまた違う
嬉しさがあります。

年末の冷たい風が体温を奪うなか、温かみを感じる大工工事完了で
今年は仕事納め。

皆様、良いお年をお迎えください。

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